大手企業では「定年65歳」が増えつつあります。
まだまだ働きたい60代にとっては朗報ですね。
雇用が継続されるのは喜ばしいことです。
しかし、同じような仕事をしても、だいたいの場合収入は減ります。
また、例えば『嘱託』として会社に残ったとしても、その後の雇用期間に保証はありません。
健康であれば、仕事は続けたいものですが、さて現在の状況はどうでしょう?
平成24年の厚生労働省の意識調査によると、1万人中27%が65歳まで、19%が60歳まで、17%が70歳、生涯働きたいと答えた人が7%いたそうです。
これは、年齢によって変化していて、たとえば29歳以下では「60歳まで」が多く、50代では「65歳まで」、60代になると「70歳まで」が最も多くなります。
まあ、若い人は65歳まで、というと長いと感じるでしょうし、60代になれば、もっと働ける、と思いますから、当然といえば当然の結果ですね。
いつまで働きたいか、と考えるとき、もちろん年金や貯蓄など、経済的な要因が大きいでしょう。
でも、それだけでもないのです。
悠々と趣味に生きたい、と願う人もいるでしょう。
田舎暮らしに憧れる人、海外移住を考える人、老後のプランはさまざまです。
そんな選択枝のひとつに、「仕事」もあるのです。
収入を補いつつ、仕事を通して社会と関わっていたいとか、認知症防止のために、あるいは健康のためにも働きたい、とか。
実際、定年が近づくにつれて、喜びよりも「喪失感」に苦しむ人もいるのです。
「居場所」を失う喪失感です。
それは、長年外で働いてきた男性に多いです。
女性の強みはそこですね。
家事と近所付き合い。
それだけで、毎日が結構忙しい。
その上、働いていたら、もうある意味「充実」した生活がずっと続いていて、ことさら喪失感に悩むことはないのですから。
女性は健康ならば働く場はあると思いますが、男性は年齢とともに、まず「場」を失ってゆく。
そこを考えておくべきでしょう。
図書館では多くの男性がよく新聞を読んでいます。
朝マックで高齢の男性を見ることもあります。
昼間のジムは、運動に勤しむ男性でいっぱいです。
運動してシャワーやサウナ。そのあとの食事。
ほぼ一日中ジムにいる人も。
それを楽しんでいる人もいるとは思います。
最初は楽しいかもしれません。
でも、たとえば60歳で定年を迎えて、日本人の平均寿命は80歳です。
20年間、そうやって過ごしますか?
健康寿命はもっと短いですから、最後の数年は介護状態かもしれません。
だとしたら、せめて健康なときに、もう少し何か「場」を探したらどうでしょう。
その「場」というのは、人のために役立っている、と実感できる場ではないですか?
そういう場所探しのための情報を少しでもお伝えできたら、と思っています。